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教師を育て、音楽授業を創造する場 Japan Association for the Study of School Music Education Plactice

研究大会

 

芸術(音楽と美術)教科に関する緊急シンポジウム


日 時:平成18年1月8日(日)13時00分〜17時00分(12時30分受付開始)
場 所:国立オリンピック記念青少年総合センター国際会議場

(東京代々木)03-3467-7201 小田急線参宮橋駅下車 徒歩7分

参加費:500円              
主 催:日本学校音楽教育実践学会、美術科教育学会
事務局(問い合わせ先):
奈良教育大学(音楽教育研究室)宮下俊也 0742-27-9214(miyashit@nara-edu.ac.jp)
鳴門教育大学(美術教育研究室)谷口幹也 088-687-6494(t.mikiya@naruto-u.ac.jp)

参加申込は宮下までメール、ファックスなどでお願いします(当日受付も行っています)。

◆基調講演  演 題 「創造的想像力を育む―すばらしい教師との出会い―」
講 師 内田伸子氏(お茶の水女子大学副学長)


◆パネルディスカッション
授業実践の立場から
 音楽 斉藤百合子(大阪教育大学附属平野小学校講師)
 美術 郡司明子(お茶の水女子大学附属小学校教諭) 
教科教育の立場から
 音楽 小島律子(大阪教育大学教授) 
 美術 新井哲夫(群馬大学教育学部教授)
脳科学の立場から
 小泉英明(株式会社日立製作所役員待遇フェロー)
コーディネーター
 橋本泰幸(鳴門教育大学教授)
 西園芳信(鳴門教育大学教授)



◆シンポジウム趣旨

 最近、我が国においてもこれまで想像もできなかったような重大な青少年の事件が多発しています。反社会的な行動や突発的な攻撃(いわゆる「切れる」言動)や引きこもりなど、青少年の問題行動が毎日のように報道され、社会的な問題になっています。また、子ども達のなかには、自分の感情的な心の動きを見つめたり、それを言葉で相手に伝えたりすることが苦手な者もいます。これらの問題行動や能力は、教育の観点からは子ども達の認知・感性・感情などの能力の問題として取り上げられています。今、子ども達の教育の中で、この認知・感性・感情などの、いわゆる「心の教育」にどう向き合ったらいいのかが問われています。
 そうした中において、新聞などの報道によると、中央教育審議会の教育課程部会では、学校の教育課程の中で音楽や美術の芸術教科は選択にしてもよいという意見が出されているという話です。音楽や美術の活動は、感性と想像力を働かせて表現したり鑑賞したりすることによって子どもの心を培う教科なのです。子ども達の「心の教育」が社会的な問題としてクローズアップされてきた時代に、受験教科の時間を増やし芸術教科の時間を縮減するということは、時代を逆行していると言えます。そこで、私達は、「感性と心」の教育に寄与する芸術(音楽・美術)教科の役割とその方法を改めて問い直し、学校教育における芸術教科の在り方を考えてみることとしました。
 シンポジウムでは、このような子ども達の「感性と心」の教育の問題に、まず内田伸子先生に認知心理学・発達心理学の立場から基調講演を、次にパネルディスカッションとして「感性と心」の教育に視点を置いた音楽と美術の授業実践の発表を、そしてそれについての教科教育学の立場からの理論的整理、最後にこれらの発表をテーマの趣旨に即して脳科学研究の立場から、小泉英明先生が総括的に整理するという方法で展開します。



2005年12月8日
芸術教科(音楽・美術)教育にたずさわるみなさまへ
  日本学校音楽教育実践学会 代表理事 西園芳信


緊急シンポジウム開催について


次期の学習指導要領の改訂に向けて、現在、中央教育審議会教育課程部会では論議が進められています。そこではいわゆる学力低下問題の範囲内の国・理・数の教科の充実、また小学校英語教育の導入などが主たる課題となっていますが、他方、芸術教科についての動向も新聞で取り上げられています。新聞記事を以下に引用します。

9月15日開催された中教審初等・中等教育分科会教育課程部会で、・・(中略)・・「現在の授業時数では、学習指導要領に記載されている事項を、子どもたちに定着させることは難しい。基礎・基本を精選し、それ以上は発展的学習として考えていかなければならない。」(角田委員)などの意見があった。 
 これらの意見を受けて梶田叡一委員(兵庫教育大学長)からは、「学校週5日制、週30時間という枠で考えざるを得ない。これまで、国語や理科、数学・算数が大事だという意見が出ていて、1時間ずつ増やす可能性がある。新たな教育要請については、教科にどう組み込むか、また、出すものは何か検討すべき。クラブ活動、部活動は課外活動として行ってはどうか。技術・家庭、音楽、美術は選択でという意見もある」との発言があった。(教育新聞2005.9.22)

 小学校・中学校で音楽科が選択となるという意見が出ているということは重大な問題であります。
今、子どもたちに最も必要とされるのは芸術教科だということを痛切に感じているこの時期に、時代に逆行するようなこの動きを見過ごすわけにはいかないということで、本学会として芸術教科の意義をアピールするためのシンポジウムを開催することにしました。その範囲は音楽のみならず美術にも及ぶということで、別紙の通り、美術科教育学会と合同で企画し、より広くより力強く訴えていこうと考えました。とくに、子どもの成長における想像力の重要性を発達心理学・認知心理学より研究されていらした内田伸子氏の講演、さらに、世界的に著名な脳科学者小泉英明氏をパネラーにお迎えし、感情の育成の重要さを脳科学の立場から科学的に実証していただこうとしました。
 急な企画ではありますが、音楽科が選択になることに反対する気持ちを世に示すためにはやはり目に見える行動を起こすことが必要でしょう。ぜひとも皆様方の参加をお願いしたいと思います。

日本学校音楽教育実践学会

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